春を確かめる

毎年、この時期になると伊豆へ早咲きで知られている河津桜を見に行く。
少しでも早く桜を見たいのだ。
いい年をしたオヤジでも桜の花を見ると、ココロが晴々とするのだ。

写真がアレなんで、上手く雰囲気が伝わってこないが、この時期にこれだけの桜を見ることが出来るのは不思議なことである。
つい勘違いして半袖シャツ姿になりたいところだが、頭がおかしいと思われるといけないのでダウンジャケットを着ている。
ここから少し修善寺の方に上ったところで、今年から「梅祭り」も始まったみたいなので寄ってみたが、こちらはまだ蕾みであった。
それでも見晴らしの良い丘の上から眺める梅林はなかなか見事なものであったから、時期さえ合えば、桜と梅を一挙に楽しむことが出来る。
前日は沼津から江間を抜けて海沿いに下田まで走ったのだけど、普段は滅多に通らないルートなので、見るものが珍しくてしょうがない。
途中、戸田村にある北山の棚田に寄ってみた。

観光客どころか、誰とも出会うことはなかった。
滅多に誰も訪れないところなのだろう。
我家の高級車(1600cc)が一台やっと通れるような農道を走っていくのだが、行き帰りともすれ違う心配は全くなかった。
作られたのは400年以上も前のことらしいが、当時の光景を思い浮かべると、なんとも不思議な気持ちがして「おりゃ、駄目な人間だ」などと訳の分からない反省をしていた。
ここでも河津桜がちらほらと咲いていた。
いつ植えられたものかは知らないが、日本人はつくづく桜が好きなんだなと思う。
菜の花は房総の専売特許という訳ではなく、伊豆にだってちゃんとある。

恋人岬の菜の花畑であるが、まぁ、今更恋人岬もへったくれもないもんだが、久々に訪れると以前とは大分様子が違い、岬の先端まで遊歩道が延びて、鐘の位置が移動されていた。
確か、恋人同士がその鐘を鳴らすと結ばれるとかなんとかだったと思うが、今更結ばれてもしょうがないので、歩くのは止めておいた。
駐車場近くの売店にプリクラが置いてあり、幸せそうな2人で写した写真を残してあるが、若いカップルならまだしも、いい年こいたおっさんとおばさんの写真もある。
仲が良くて結構なことではあるが、私にはそんな度胸はなく、早々に退散した。